Northern Words

アラスカ留学の日記です。アラスカでなくても、ということをたくさん書きます

4月12日 くもり そらが低い日

星野道夫さんの友達のドン・ロスさんに会った。

偶然会ったみたいに書いたけれど、日本でもうすでにあっていて、今日の朝ベーグル屋で待ち合わせしていた。ドンは20年くらい前、ブッシュパイロットとしてアラスカ中飛び回っていた。

星野さんがどのようにドンと知り合ったのか、わからない(もしかしたら星野さんの本の中に書いてあったかもしれない)けど、星野さんを乗せて北極圏の果てや霧に覆われる南東アラスカによく飛んだらしい。

 

ドンはありがたいことに僕を好いてくれている。

僕を好いてくれる人は、何故僕を好いてくれるんだろう、と毎回考える。

相手が嫌だと思うことはできるだけしたくない、とは思っているし、できるだけしないように心掛けているけれども、何故好いてくれるかはわからない。

もしかしたら嫌われてっかもしれないから、あんまり踏み込まないようにしておこう、とは考えるけれど、好かれてるからこれくらいやっていいだろうという思考はない。

大体やりすぎちゃったときは、考えていない。行き過ぎちゃうときは、見えているものが少ない。

 

ドンは、27年前に撮影された某局制作の映像素材のDVDを持っていて、それを見たいと言っていた。ドンのパソコンは10年前に壊れたらしい。この間壊れた、みたいなノリで言われたけど。

今回はその手助けのために会った。そのDVDに、は星野さんと某局の製作スタッフが、ドンの操縦する飛行機で、カリブーの大移動を追う旅の一部始終が収録されていた。僕は何冊も星野さんの本を読んでいたけれども、映像で星野さんを見るのは初めてだった。星野さんガチ勢に見えてガイアシンフォニーも見てないのだ。

星野さんは、どこか緊張気味にカメラに話したり、ひとりごとのようにつぶやいたりしていた。その不慣れなふるまいの中に、やさしさを感じた。星野さんのつぶやきをドンのために訳しながら、僕は普段どういう風にしゃべっているのかな、なんて思った。

 

 

今学期はあまりいい食事をしていない。

高い食事とか、安い食事ということではなくて、栄養と新鮮さぐあいが悪い。

腐りかかったものばっかり食べてると、からだもこころも酸化していくような気がする。あぶない。明日か明後日買い物に行こう。

そう思いながらも、買い物には行けず(行かず)、大学のカフェで買った、腐りかかったキャベツと、腐りかかったセロリと、他の腐りかかったみどりの葉っぱと、チキンをくちに詰め込んでいます。

 

おわり